「これからYouTubeを始めるなら、どのジャンルが狙い目か」は、新しくチャンネルを作る人からも、副業として伸びているチャンネルを探す人からもよく聞かれる問いだ。Rosterは29ジャンルにわたる日本のYouTubeチャンネルの登録者推移を毎日記録しているので、ジャンルごとの「伸びやすさ」と「競合の多さ」を突き合わせてみた。対象は登録者1万人以上・記録5回以上のチャンネル9,527件で、タイトルやハンドル名に量産・釣り系の特徴(「ランキング」「まとめ」「タップして」等)を含むチャンネルは、実際の伸び率を歪めないよう機械的に除外している。
ジャンルごとの登録者伸び率(中央値)を比べると、ハウツー・スタイル(294チャンネル、+9.93%)、ペット・動物(246チャンネル、+8.07%)、スポーツ(328チャンネル、+7.54%)、映画・ドラマ(313チャンネル、+6.00%)が上位に来た。ゲーム(1,007チャンネル、+1.39%)やVTuber(685チャンネル、+1.68%)のようにチャンネル数自体が多いジャンルは、母数が大きい分だけ埋もれやすく、伸び率の中央値も低めに出ている。
この差が「たまたま小規模チャンネルが多いジャンルだから中央値が高く出ているだけ」ではないかを確認するため、登録者の規模帯を1万〜10万人・10万〜100万人・100万人以上の3つに分けて同じ集計をした。1万〜10万人の帯だけで比べても、ハウツー・スタイル+30.54%、ペット・動物+15.89%、スポーツ+15.63%、映画・ドラマ+15.77%に対し、美容・コスメは+1.36%、DIY・インテリアは+0.33%、スピリチュアル・占いは+0.70%にとどまった。同じ規模帯で数十倍の差がついており、規模の偏りだけでは説明できない。
伸び悩んでいるチャンネルの割合にも同じ傾向が出ている。ハウツー・スタイルで登録者が減少したチャンネルは3.1%、スポーツは3.4%、映画・ドラマは5.8%にとどまるのに対し、美容・コスメは26.9%、スピリチュアル・占いは26.2%、DIY・インテリアは21.0%が減少していた。伸びやすいジャンルは「伸びなかったときの下振れ」も小さい傾向がある。
数字の読み方には注意点がある。まずハウツー・スタイルの1万〜10万人帯の+30.54%は他の帯(10万〜100万人で+4.92%、100万人以上で+0.37%)と比べて突出しており、133チャンネルというサンプルの中でも特に伸びの大きい一部のチャンネルの影響を受けている可能性がある。また、これは「そのジャンルを選べば伸びる」という保証ではなく、あくまで期間中の対応関係であり、動画の企画・編集・投稿頻度といった中身の質はRosterのデータでは評価できていない。美容・コスメやスピリチュアル・占いのように既に多くのチャンネルがひしめくジャンルでも、6割前後は登録者を伸ばしており、ジャンル選びだけで結果が決まるわけでもない。
まとめると、この期間のデータでは「競合が比較的少なく、かつ伸び率も高い」ジャンルとしてハウツー・スタイル、ペット・動物、スポーツ、映画・ドラマが挙がった。すでに競合の多いジャンルで戦うより、こうした手薄なジャンルを選ぶ方が、少なくとも登録者の伸びやすさという点では有利に働いていたことになる。各ジャンルの実際のチャンネルや最新の伸び率は、Rosterのジャンル別ランキングで確認できる。
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