「ショート動画中心で投稿すると伸びやすいのか」は、チャンネル運営でよく聞かれる問いだが、まとまった実データで確かめた話はあまり見かけない。Rosterは日本のYouTubeチャンネルについて、個々の動画の再生時間も記録している。そこで投稿動画のうち60秒以下(ショート動画)が占める割合を「投稿の型」として分類し、登録者の伸び率と突き合わせてみた。対象は動画の記録が5本以上あり、登録者の記録も5回以上・追跡期間20日以上あるチャンネル12,423件(平均追跡期間は53.7日)。
ショート動画の割合が80%以上を「ショート主体」、20%未満を「通常動画主体」、その間を「混在」として3グループに分けたところ、伸び率の中央値はショート主体が+3.72%、混在が+1.96%、通常動画主体が+1.55%だった。実際に登録者が増えたチャンネルの割合でも、ショート主体は80.4%(2,513件中2,021件)で、この期間全体の傾向としては、投稿がショート動画に偏っているチャンネルほど伸びている。
この差が「単に小さいチャンネルが多いから」ではないかを確認するため、登録者の規模帯ごとに分けて同じ集計をした。1万人未満の帯ではショート主体+2.14%・通常動画主体+1.56%、10万人以上の帯ではショート主体+2.75%・通常動画主体+1.12%と、どちらの帯でもショート主体が上回っている。ただし1万〜10万人の帯だけはショート主体が+11.70%と突出して高く、他の帯とは差が大きい。この帯には836チャンネルが含まれており少数の外れ値だけの影響ではなさそうだが、なぜこの規模帯だけ特に高いのかは今回のデータからは分からない。
ジャンルの偏りも確認した。ショート主体チャンネルが多いジャンルは料理・グルメ(305件)、美容・コスメ(305件)、エンタメ(235件)、アニメ・マンガ(223件)などで、特定の1ジャンルに集中しているわけではなく、幅広いジャンルにショート主体のチャンネルが分布していた。
一方で、ショート主体だからといって必ず伸びるわけではない点も数字に出ている。ショート主体の2,513件のうち、登録者が減少したチャンネルが176件(7.0%)、記録上ほぼ横ばいだったチャンネルが316件(12.6%)あった。ショート動画中心で投稿しても伸びていないチャンネルは一定数存在する。なお「横ばい」の中には、YouTube APIが登録者数を有効数字3桁に丸めて返す仕様により、実際にはわずかに動いているのに記録上は変化なしとして扱われているケースも含まれている可能性がある。
まとめると、この期間のデータでは「投稿がショート動画に偏っているチャンネルほど、伸び率の中央値も、伸びたチャンネルの割合も高い」という対応関係が、規模帯を揃えても概ね確認できた。ただしショート主体でも約2割は伸びていない、あるいは減少しており、ショート動画にすれば伸びるという単純な話ではない。動画の内容や企画そのものの質は今回のデータでは評価できていないため、対応関係の確認にとどめる。個別のチャンネルの推移はRosterの成長率ランキングで確認できる。
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